ニール・ヒューズ
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投資会社バークレイズ・キャピタルがiPhoneメーカーの株式投資判断を引き下げ、今後1年以内に同社の株価が現在の取引レンジから抜け出すことは予想されないとし、同社の業績がライバルのマイクロソフトと同等になる可能性を示唆したことを受け、木曜朝のアップル株は下落した。
アナリストのベン・A・ライツェス氏は、 AppleInsiderが入手した投資家向けメモの中で、スマートフォン市場が成熟しつつある現状では、AppleのiPhoneの将来的な成長余地は限られていると述べ、投資家に「身を引く」よう勧告した。また、革新的な新製品が登場しない限り、Appleの株価がすぐに上昇することはないだろうとライツェス氏は考えている。
「率直に言って、スマートウォッチやテレビを売上を伸ばす理由として使う気にはなれなかったし、これらの製品が、かつての新カテゴリーのように売上を伸ばせると確信も持てなかった」とライツェス氏は木曜日に記した。
同アナリストは、iPhoneユーザーとして、モバイル決済、位置情報サービス、ウェアラブルデバイスといった分野でのイノベーションの可能性を秘めた、Appleが開発中の新製品に「非常に期待している」と述べた。しかし、投資家としては、iPhoneやiPadほど経済的な観点から画期的なものをAppleが投入するとは考えていない。
「AppleのストーリーはiPhone中心であり、『新しいカテゴリー』はiPhoneをより便利にすることを目的としているように思われる。しかし、必ずしもiPhoneカテゴリーの成長を持続可能な2桁成長へと再加速させるわけではない」と彼は記した。「決済や新たなコンテンツ契約が、Googleなど他社と比較してAppleのWebサービス面を長期的に強化するという証拠が見られれば、この見解を再考する必要があるかもしれない」
ライツェス氏はさらに、アップルのライバルであるマイクロソフトの2000年から2010年にかけての株価評価を引用し、アップルも同様のパターンを辿る可能性があると示唆した。同氏は、大手テクノロジー企業が「1、2年の厳しい時期」を経て再び全般的にアウトパフォームするという「前例はない」と述べた。
同氏の目には、「大数の法則」がアップルに追いつき、同社の粗利益はピークに達したのかもしれない。
「結果として、アップルがクラウドでまったく新しい市場を創造するまでは、製品サイクルが次から次へと移り変わる中で株価は一定の範囲で推移する可能性があると言っても間違いではないようだ」と同氏は語った。
これを受けて、バークレイズはアップルの投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に引き下げ、見通しは引き続き「ニュートラル」とした。AAPL株の目標株価は570ドルで、これは木曜日の朝の株価より約35ドル高い。