不況で世界のスマートフォン市場が縮小する中、iPhoneの出荷は安定

不況で世界のスマートフォン市場が縮小する中、iPhoneの出荷は安定

マルコム・オーウェンのプロフィール写真マルコム・オーウェン

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世界のスマートフォン市場は「事実上不況にある」とStrategy Analyticsは主張している。同社の推計によると、Appleは最新の業績でわずかな成長しか見せていないにもかかわらず、縮小する市場で持ちこたえているとのことだ。

ストラテジー・アナリティクスの2018年第3四半期の推定によると、世界のスマートフォン出荷台数は3億6000万台で、2017年第3四半期の3億9310万台から前年同期比8.4%減少した。この数字は市場の低迷が続いていることを示し、今四半期で4四半期連続の減少となっている。

「スマートフォン業界は、通信事業者の補助金の大幅削減、買い替え率の長期化、複数の地域での在庫増加、そして刺激的なハードウェア設計の革新の欠如といった問題に対処するのに苦戦している」と同社ディレクターのリンダ・スイ氏は主張する。

Appleの場合、第3四半期の出荷台数は4,690万台で、前年同期の4,670万台よりわずかに改善し、前年同期比で0.4%の増加となった。

2018年第3四半期の世界スマートフォンベンダー出荷台数と市場シェア(Strategy Analytics調べ)

2018年第3四半期の世界スマートフォンベンダー出荷台数と市場シェア(Strategy Analytics調べ)

共同ディレクターのウッディ・オー氏によると、平均販売価格(ASP)の引き上げが成長鈍化の要因の一つと考えられている。「新型iPhone XR、XS、XS Maxシリーズは需要が好調です」とオー氏は認め、「しかし、Appleが容赦なく値上げに注力していることで、全体的な販売数の伸びが抑制されています」

スマートフォンベンダーのリストでは、Appleは昨年2位だったが、今年は3位に浮上した。Huaweiは同期間に出荷台数が32.5%増の5180万台に達し、市場シェアは14.4%を獲得した。Appleは13%だった。北米市場では存在感が薄いものの、Huaweiは世界の他の地域、特に「アジアとヨーロッパ」で圧倒的な人気を誇っていると指摘されている。

サムスンは出荷台数7,230万台でトップに立った。前年比13.3%減だが、それでも市場シェアは20.1%を維持している。「サムスンは、巨大な中国とインド市場において、ファーウェイ、シャオミ、その他の中国系ライバルに後れを取っている」と、エグゼクティブディレクターのニール・モーソン氏は述べ、「サムスンは手遅れになる前に、中国とインドの問題を解決しなければならない」と付け加えた。

リストでアップルに次ぐのは、シャオミで3,300万台、昨年より19.1パーセント増加して市場シェアを9.2パーセントに伸ばし、オッポは3,120万台で0.6パーセント減少したものの、市場シェアを8.7パーセントに伸ばした。