マイキー・キャンベル
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アップルのCEOティム・クック氏は2015年に北京で中国の劉延東副首相と会談した。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、中国で珍しく公の場に姿を現し、グローバリゼーション、サイバーセキュリティ、暗号化、国際関係などについて発言した。これは同CEOによる中国消費者の支持獲得の試みの一環である。
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、クックCEOは土曜日、中国政府が主催する年次会議「中国開発フォーラム」で1時間にわたる演説を行い、世界情勢について解説した。同紙によると、西側諸国の企業トップは中国中央政府高官との関係強化のため、この会議に出席することがあるという。
クック氏は演説の中で、グローバリゼーションは「概して世界にとって素晴らしい」と述べたものの、社会経済的利益が国内および国家間で均等に分配されない可能性もあると指摘した。グローバリゼーションには欠点もあるものの、各国はこうした発展を躊躇すべきではないとクック氏は述べた。
「誰にとっても助けにはならないのに、それを悪いことだと決めつけて、対策を控えるのは最悪だと思います」とクック氏は述べた。「現実には、世界で孤立している国々は、国民にとって良くないことが分かっているはずです」
製造業務の大半を中国に委託している米国企業、アップルにとって、この問題は物議を醸す問題となっている。ドナルド・トランプ大統領は先日、アップルに対し、iPhoneの生産を米国内に移転するよう要請した。これは国内経済の活性化につながるだろう。トランプ大統領は、海外の雇用を米国に回帰させるため、多くの米国多国籍企業にも同様の要請を行っている。
クック氏は経済面以外にも、サイバーセキュリティとユーザーのプライバシーについて言及した。どちらも中国では非常にデリケートな問題である。過去の発言を繰り返しながら、クック氏はAppleはエンドツーエンドの暗号化を採用し、悪意のある攻撃者から顧客を守ると述べた。しかし、捜査やデータ収集活動において企業に当局への技術支援を義務付ける中国のサイバーセキュリティ政策については、明確な立場を示さなかった。
Appleが政府の監視を公然と批判し、昨年はiPhoneの暗号解読を求める連邦捜査局(FBI)の要求に抗して裁判に持ち込んだ米国とは異なり、中国は極めて慎重に扱われている。特にサイバーセキュリティ、プライバシー、言論の自由といった問題に関して、政府の義務付けに公然と反対する企業や個人は、迅速な報復措置に直面することが多い。政府の対応は時にビジネス関係に悪影響を及ぼし、Appleのような企業の収益に壊滅的な打撃を与える可能性がある。
クックCEOはデータプライバシーの問題について慎重に言及し、「個人は自身のデータを所有し、それを管理できるべきだと考えています」と述べた。彼は過去にも同様の発言をしており、国家による監視を厳しい言葉で非難することが多かったが、中国では今回のように爪を立てることはなかった。
クックCEOは中国中央政府との関係強化のため中国を訪問している。アップルの最高経営責任者(CEO)は月曜日に、中国サイバースペース管理局の徐林局長と非公開会談を行う予定だ。