Appleはこのラッパーの顔をぼかしているのではなく、そう思わせたいだけなのだ

Appleはこのラッパーの顔をぼかしているのではなく、そう思わせたいだけなのだ

アンドリュー・オーとマイク・ワーテルのプロフィール写真アンドリュー・オールとマイク・ワーテル

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クロ、本名はカルロ・ワイベル。画像提供:fr.de

ドイツ人ミュージシャンのCroは、Appleがマスクを外した写真の顔をぼかす秘密契約を結んでいると主張している。このラッパーは、Appleがセレブ向けにいわゆるプライバシー機能を提供していると主張しているが、これは全くの芝居がかったものだ。

GQドイツ版が2025年10月に投稿したYouTubeショート動画で、クロは人前で自分が認識されることは滅多にないと説明している。認識されることがあると嬉しいそうだが、マスクを外した写真はどうしてもダメだと断言している。

「アップルと契約したんだ」と彼は動画の中で語っている。「もし誰かがマスクなしで私の写真を撮ろうとしたら、自動的に画面が暗くなる。何も見えないようにするんだ」

その主張は慈悲深く言ってもナンセンスだ。

ブランドとしてのマスク

本名カルロ・ヴァイベルのクロは、2010年代のキャリア初期からパンダ型のマスクを着用している。このマスクは彼のトレードマークとなり、ドイツのヒップホップシーンで彼を際立たせる役割を果たした。

マスクのおかげで、彼は多くのアーティストがブレイクすると失ってしまうプライバシーも手に入れることができた。彼がAppleとの契約について語っていたのは、ほぼ間違いなく冗談だろう。Appleには、そのようなプライバシーを提供する機能は一つもない。

もしあったとしたら、ハリウッドの裕福な有名人やスキャンダルを避けたい政治家が、その入手方法を確実に特定し、大金を払っていたはずだ。

クロは、おそらく自身の名声の源となった謎に迫ろうとしているのだろう。ファンは、彼の公の人物像には事実とフィクションが混在することを期待しているだろう。顔にぼかしを入れる技術は存在するが、それは一般向けのアプリや編集ソフトから来ている。

Appleはプライバシーを重視しており、マーケティングではFace ID、アプリの追跡制限、デバイス上でのデータ処理といった機能を頻繁に強調しています。だからこそ、Croが自分の身元が隠されているという話を広めるには、Appleはまさにうってつけの企業なのです。

Appleを「サイレントパートナー」と呼ぶことで、CroはAppleというブランドを、秘密主義と支配を連想させるものとして利用している。このジョークが効果的なのは、Appleが個人データの守護者だと人々が既に認識しているからだ。しかし、今回のケースでは、現実は単なるパフォーマンスに過ぎない。

彼がプライバシーを守りたがるのは良いことだ。Appleとの契約を偽装しても何の役にも立たない。

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