東芝、ウエスタンデジタル、アップルが出資するフォックスコン連合と半導体事業売却について協議

東芝、ウエスタンデジタル、アップルが出資するフォックスコン連合と半導体事業売却について協議

ロジャー・フィンガスのプロフィール写真ロジャー・フィンガス

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東芝はメモリ事業の優先交渉相手として別のグループを選んだものの、ウエスタンデジタルと、アップル、デル、キングストンを含むフォックスコン連合という他の2つの関心企業とも交渉中であると報じられている。

ロイター通信の情報筋によると、東芝は債権銀行に交渉内容を通知した。同社自身は、優先交渉先である産業革新機構(INCJ)、日本政策投資銀行(DBJ)、米国の投資会社ベインキャピタル、韓国のメモリメーカーSKハイニックスからなる連合以外の関係者とも協議中であることを認めているにとどまっている。

「優先交渉相手との交渉が決裂したため、東芝としては他の買収提案者と交渉中と言わざるを得なかった」と交渉に関わった関係者は語った。

東芝は、自ら設定した6月28日の買収発表期限を過ぎた。ロイター通信によると、現在の障害はSKハイニックスが転換社債による資金調達を提案していることで、これにより東芝は株式取得の道筋が見えてくるという。日本政府は東芝のメモリ事業を国内管理下に置き、重要な技術を外国企業から遠ざけたいと考えているため、東芝はSKハイニックスへの株式や経営権の譲渡に反対していると言われている。

情報筋によると、INCJとDBJはウエスタンデジタル(WD)との取引を支持する可能性がある。WDは、東芝の主要半導体工場が合弁事業として運営されているため、東芝と争ってきた。実際、WDは米国の裁判所に仮差し止め命令を求めており、東芝はWDの同意なしに売却を行うことはできないと主張している。関連書類では、WDは競合他社の入札に同調したと主張している。

東芝は6月下旬、ウエスタンデジタル社に対し、半導体事業売却の計画維持を目的とした10億7000万ドルの訴訟を起こした。また、ウエスタンデジタル社の従業員が専有データに不正アクセスしたとして、合弁事業における情報へのアクセスを遮断し始めた。

中国とのつながりを考えると可能性は低いものの、フォックスコンが勝利すれば、アップルはメモリを適正なコストで安定的に供給できるようになるかもしれない。フォックスコンはアップルの主要な組み立てパートナーであり、既にアップルのディスプレイサプライヤーであるシャープを傘下に収めている。