ブルームバーグがスティーブ・ジョブズの死亡記事を誤って掲載

金融ニュースサービス「ブルームバーグ」は水曜日、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズの死亡記事を誤って掲載し、アップルの投資家らを驚かせた。

この事件は東部時間午後4時27分に発生し、定型17ページの死亡記事を更新していた記者が誤ってニュース配信を通じて数千社の企業顧客にその記事を送信してしまった。

Gawkerが入手したリリースのコピーには、ジョブズ氏の年齢と死因を記したテンプレートホルダーが掲載されている。また、記事には、ジョブズ氏が亡くなった場合にブルームバーグの記者が連絡を取るべき人物の長いリストも掲載されており、その中にはかつての恋人ハイディ・ロイゼン氏や、70年代にジョブズ氏とアップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏からゲーム「ブレイクアウト」の初期回路基板を購入したアタリの創業者ノーラン・ブッシュネル氏も含まれていた。

死亡記事はジョブズ氏を「パソコンを電話と同じくらい簡単に使えるようにし、アニメ映画の制作方法を変え、消費者にデジタル音楽を聞くよう促し、携帯電話を刷新した」人物として称賛して始まった。

同じく訃報記事の冒頭に掲載された、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏の言葉は、ジョブズ氏をこれまで出会った中で最高の「インスピレーションを与えてくれるリーダー」と称賛していた。「彼は製品の素晴らしさを信じていました」と、10年以上前に記録されたこの言葉の中でゲイツ氏は述べている。「彼はそれを人に伝える力を持っていました」

ジョブズ氏の健康状態は、5年前に膵臓がんとの闘病生活を乗り越えて以来、投資家と、彼の現代技術への貢献を称賛する人々の両方にとって、常に懸念の的となってきた。こうした懸念は、今年初め、アップルの年次開発者会議で公開された不穏な写真によって、最高経営責任者（CEO）のますますやつれた容姿の原因について新たな疑問が浮上したことで、ピークに達した。

その後、タイムズ紙はジョブズ氏が癌手術後、栄養失調に悩まされており、最近、体重減少の原因となっていた問題を解決するために2度目の手術を受けたと報じた。しかし、その過程で癌が再発したのではないかと懸念する声も上がっていた。

すべての事実を明らかにするために、ジョブズ氏はニューヨーク・タイムズのジョー・ノセラ氏に直接電話で連絡を取り、ノセラ氏を「スライムバケツ」と呼んだが、その後、自身の健康問題は命にかかわるものではなく、がんの再発もないと付け加えた。