マイク・ワーテル
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控訴裁判所は、iPhoneへのモデム搭載を維持するためにAppleに違法な支払いをしたとしてチップメーカーのQualcommに科された10億ユーロの罰金は無効とする判決を下した。
「いくつかの手続き上の不規則性がクアルコムの抗弁権に影響を及ぼし、クアルコムに対して申し立てられた行為に関する欧州委員会の分析を無効にしている」と控訴裁判所の判事らは判決文で述べた。
この判決は、クアルコムの行為によってアップルや市場全体が損害を受けたことを示す具体的な証拠が不足していることに基づいているようだ。
「委員会は、問題の支払いが、2014年と2015年に発売される特定のiPadモデル用のLTEチップセットの供給を確保するために、クアルコムの競合他社に乗り換えるというAppleのインセンティブを実際に減らしたという調査結果を裏付ける分析を提供しなかった」と裁判官らは付け加えた。
この罰金は、2018年に欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー競争担当委員によってクアルコムに課されました。クアルコムはほぼ即座に裁判所に控訴しましたが、水曜日の判決により罰金は差し止められました。
「クアルコムは主要顧客であるアップルに対し、競合他社からの購入を控えるよう数十億ドルを支払った」とベステアー氏は当時の声明で述べた。「この支払いは単なる値下げではなく、アップルが全てのiPhoneとiPadにクアルコムのベースバンドチップセットを独占的に使用するという条件で行われた」
EUの裁定は、LTEベースバンドチップセットにおけるクアルコムの市場支配は、EUの独占禁止法に違反するアップルへの支払いに一部起因していると結論付けました。EUは、この支払いにより、クアルコムの競合チップメーカーは「製品の質に関わらず、アップルの重要なビジネスを効果的に獲得する機会を奪われた」と判断しました。
EUが閲覧した内部文書によると、Appleはベースバンドチップセット供給の一部を変更することを「真剣に検討した」という。しかし、欧州委員会によると、Qualcommとの有償独占契約がAppleの変更を阻む要因となったという。
ロイター通信が水曜日朝に報じたところによると、欧州委員会はこの件について控訴できる可能性があるという。実際に控訴するかどうかは不明だ。
控訴裁判所は次に、アンドロイドを使って競合他社を圧迫したとして欧州委員会が課した巨額の罰金に対するグーグルの控訴を審理することになる。