ヒュンダイ幹部、「アップルカー」製造の是非を悩む

ヒュンダイ幹部、「アップルカー」製造の是非を悩む

ウィリアム・ギャラガーのプロフィール写真ウィリアム・ギャラガー

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現代自動車は、傘下の起亜自動車を利用して「アップルカー」を製造することを検討していると考えられている。

ヒュンダイの幹部らは、「アップルカー」でアップルと提携することが良い動きなのかどうかまだ確信が持てないと述べている。

アップルはまだ何のコメントも出していないものの、最近、ヒュンダイ(あるいはその子会社である起亜自動車)が近々発売される「アップルカー」を製造するという報道が繰り返しなされている。ヒュンダイの幹部によると、どのように製造するか、そして製造すべきかどうかについて社内で意見が分かれているという。

ロイター通信によると、ヒュンダイの匿名幹部は、同社がアップルと協議中であると述べた。しかし、協議の状況や継続中かどうかについては明らかにしなかった。

「どうすればいいのか、それが良いことなのか悪いことなのか、私たちは苦悩しています」と幹部は語った。「私たちは他人のために車を作る会社ではありませんから」

「アップルと組めば必ず素晴らしい成果が生まれるわけではない」と、彼もしくは彼女は付け加えた。「アップルがボスだ。彼らはマーケティングも製品もブランドも自分たちでやる。ヒュンダイもまたボスだ。それではうまくいかない」

同社の別の幹部もロイター通信に対し、同様の懸念を表明した。「グーグルやアップルのようなテクノロジー企業は、我々がフォックスコンのようになることを望んでいる」と、この幹部は語った。

「当初、この提携はヒュンダイやキアのブランドイメージ向上に役立つかもしれない」とこの幹部は続けた。「しかし中期的、あるいは長期的には、我々は車の外装を提供するだけで、アップルは頭脳を提供することになるだろう。」

3人目の関係者は、アップルは多くのサプライヤーから部品を調達し、最終的な車両の組み立てにはヒュンダイを利用する予定だと語った。

「(ヒュンダイ自動車)グループは、ヒュンダイ・ブランドがアップルの単なる契約製造業者になってしまうことを懸念している」とこの関係者は語った。「そうなれば、ジェネシス・ブランドでより高級なイメージを構築しようとするヒュンダイの取り組みにプラスには働かないだろう」

アップルがヒュンダイなどの企業と提携して「アップルカー」を開発するとの予想があるものの、JPモルガンのアナリスト、サミク・チャタジー氏は、アップルが自社で車両を製造すると見ている。チャタジー氏は、アップルの「アップルカー」計画は「大胆に進めるか、撤退するか」のどちらかだと予測している。