ウィルバー・ロス商務長官、アップルの決算発表不調は米中貿易摩擦によるものではないと主張

ウィルバー・ロス商務長官、アップルの決算発表不調は米中貿易摩擦によるものではないと主張

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ウィルバー・ロス商務長官(CNBC経由)

ウィルバー・ロス商務長官は、アップルの売上高見通しの低下は米中間の貿易摩擦によるものではないと助言する一方で、両国間の紛争は中国経済に「確実に打撃を与えている」と主張した。

1月2日、AppleのCEOティム・クック氏は、次期四半期決算で売上高が当初の890億ドルから930億ドルと予想されていたものの、840億ドルに下方修正されたことを発表した。クック氏はメモの中で、「主に中華圏におけるiPhoneの売上高が予想を下回ったことが、当社の売上高不足の全てを占めている」と述べ、期間中のiPhoneのアップグレード販売台数減少もその要因の一つだとした。

これに対し、ロス氏はCNBCのスクワークボックスに対し、「アップルの業績予想未達は現在の貿易交渉とは何の関係もないと思う」と述べた。ロス氏の論拠は「アップル製品に関税が課されていないので、それは関係ない」というものだ。

ロス氏の指摘は正しいものの、米中両国間の現在の貿易紛争においてApple製品に関税が課されることはない。しかし、関税が課される可能性は示唆されている。米国市場向けに中国から輸入されるiPhoneに関税を課すという選択肢も検討されており、そうなればiPhone XSの価格が60ドルから160ドル上昇する可能性がある。

ロス氏は続けて、中国製品への関税は「中国経済に確実に打撃を与えている」と述べ、「GDP成長率、小売売上高成長率、資本投資成長率は低下している」とする報道に言及した。

ロス氏の発言の後半部分は、利益修正を通知するメモと同日に発表された、この件に関するアップルCEOの発言と一致している。

「下半期に経済が減速し始めたのは明らかだ」とクック氏は述べた。「米中間の貿易摩擦が経済に更なる圧力をかけたというのが私の考えだ」

ロス商務長官は、経済の弱体化が消費者の購買習慣に影響し、厳しい市場においてiPhoneの売上が減少する可能性を考慮していないようだ。

ドナルド・トランプ大統領は金曜日、アップルの収益減少についてコメントしたが、同社の運命に対する懸念は最小限にとどめ、むしろこの機会を利用してクックCEOに生産拠点を中国から米国に移すよう促した。

Appleは、米国政府の貿易政策への報復として、またHuaweiへの連帯を示すために、中国企業によるApple製品ボイコットの影響も受けている可能性がある。HuaweiのCFOである孟晩舟氏は、米国政府の要請により、同社が対イラン制裁に違反したとしてカナダで逮捕されたが、この逮捕は貿易交渉に影響を受けた可能性がある。