アップル、税金などのロビー活動費を倍増へ

アップル、税金などのロビー活動費を倍増へ

ケビン・ボスティックのプロフィール写真ケビン・ボスティック

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脱税疑惑をめぐる論争に巻き込まれたアップルは、ワシントンでの論争に参入し、iPadメーカーは政治家へのロビー活動に費やす金額を倍増させる計画だと報じられている。

ロイター通信によると、アップルは議会での政治家ロビー活動に400万ドルを費やしている可能性がある。これは同社が昨年費やした金額の2倍、1999年の18万ドルの20倍以上にあたる。ロビー活動費の増加は、iPhoneメーカーである同社が全米最大の脱税企業の一つであると非難されていることと重なっている。

米国の多国籍企業は現在、約1兆5000億ドルの利益を海外に保有しており、資金の本国送還に伴う35%の法人税を何とか回避しようとしています。そのうち約6.7%はアップルが保有しており、同社は92億ドルの税金を支払って資金を米国に送還する代わりに、自社株買いの資金として債券を発行しました。

アップルのクックCEOは、議会での証言で、海外所得への課税が現状のままでは、潤沢な現金を米国に持ち込む計画はないと述べた。しかし今、同社は法人税率の引き下げに積極的に取り組む姿勢を見せているようだ。

「彼らは非常に戦略的です」と、匿名の元アップルロビイストはロイター通信に語った。「彼らは本当に関心のある問題にしか参加しません。」

Appleは、従業員からの寄付金をAppleに賛同する議員に分配するための政治活動基金をまだ設立していないが、Fierce、Isakowitz & Blalock、Capitol Tax Partnersといった外部のロビー活動会社との連携を開始している。Glover Park GroupとFranklin Square GroupもAppleと契約しており、同社は税金、ブロードバンド、電子機器廃棄物、周波数帯問題に関する経験を持つロビイストを獲得している。

クックCEOは証言の中で、法人税率を現在の35%から25%程度に引き下げるよう訴えた。海外収益については具体的な数字は示さなかったものの、「多くの企業に(現金を)本国に還流させるには、税率は1桁台でなければならない」と述べた。

クック氏は、このような税制改革はアップルだけに利益をもたらすわけではないと述べた。実際、アップルはこのような制度の下では、現在よりも多くの税金を支払うことになる企業の1つとなるだろう。

税金以外にも、Appleは環境問題や輸入問題、ブロードバンドなどのテクノロジー問題について議会にロビー活動を行う可能性が高い。また、米国の知的財産保護も関心の高い分野の一つとなるだろう。Samsungや他のAndroidデバイスメーカーとの苦戦を踏まえ、Appleは米国における知的財産保護の強化を望んでいる。Appleは、米国のシステムは急速な技術開発に対応できる体制が整っていないと主張している。

「米国の司法制度は現在、テクノロジー企業が必要とする保護を得るのが難しいような構造になっている」とクック氏は証言の中で述べた。

仮にAppleが2013年にロビー活動費を400万ドルに倍増させたとしても、その支出額は他のテクノロジー大手のそれとは比べものにならない。400万ドルとなれば、Appleの支出額は昨年のFacebookの支出額と同程度になる。比較すると、Oracleはそれより50%以上多く、Microsoftは2倍の額を費やしている。2012年にテクノロジー企業として最も多くのロビー活動に支出したのはGoogleで、ワシントンへのロビー活動に1,820万ドルを費やした。