フェイスブックの元セキュリティ責任者が中国におけるアップルのプライバシーの二重基準に疑問を呈する

フェイスブックの元セキュリティ責任者が中国におけるアップルのプライバシーの二重基準に疑問を呈する

マイキー・キャンベルのプロフィール写真マイキー・キャンベル

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アップルのティム・クックCEOがブリュッセルのプライバシー会議でプライバシーについて熱のこもった演説を行った後、フェイスブックの元最高セキュリティ責任者アレックス・ステイモス氏はツイッターに熱いコメントを投稿し、このテック大手の動機と現在の方針に疑問を呈した。

スタモス氏は、水曜日にブリュッセルで開かれた第40回国際データ保護・プライバシーコミッショナー会議の基調講演でクック氏が述べた「ほぼすべて」に同意すると述べたが、プライバシーに関するこのIT大手の野心的な考え方は普遍的なものではないと指摘した。

Appleにとって最も重要な成長市場である中国では、政府の規制の要請を受け、同社はiOSとMacのシステムレベルで制限を設け、特定のVPNアプリやエンドツーエンド暗号化メッセージングアプリのインストールを禁止している。スタモス氏は、これらのサービスは、このような政策を実施することで知られる中国において、ユーザーが「広範な検閲と監視を回避する」ための重要なプライバシーツールであると示唆している。

さらにスタモス氏は、Appleが最近、中国のiCloudデータを、パートナーである貴州雲大データ産業有限公司が運営する中国国内のサーバーに移行したと指摘している。これも政府の法律を遵守するためだ。当初の措置は相当な論争を巻き起こしたが、国営の天一雲サービスとのいわゆる「インフラ契約」は、政府による監視を禁じるというAppleの約束を覆すものだったようだ。

「広告を使って安価なデバイスを補助している主要競合企業のビジネスモデルをCEOが悪口を言うからといって、中国国民がプライバシー保護を受けるに値しないという扱いを無視するようなインセンティブ構造をメディアが作り出すことは望んでいない」とスタモス氏はクック氏のICDPPCでの講演に言及して述べた。

クック氏は水曜日の早朝、現代の消費者データ収集慣行の現状について辛辣なコメントを発表した。

「我々自身の情報が軍事力並みの効率で我々に武器として利用されている」と彼は述べ、「結果を甘く見るべきではない。これは監視だ。そして、こうした個人データの蓄積は、それを集める企業を肥やすだけだ」と付け加えた。

クック氏は企業名を挙げなかったものの、データ収益化戦略に対する15分間の批判の明確な標的はGoogleとFacebookだった。さらにクック氏は、欧州のGDPR(一般データ保護規則)と同様の視点から米国のプライバシー規制を策定するよう求め、提案される法案は、効果を上げるためには企業に対し、データの最小化、データ収集慣行の透明性、保存データへの容易なアクセス、そしてセキュリティという4つの主要原則の遵守を義務付けるべきだと述べた。

「クック氏の言う通り、米国には強力なプライバシー法とプライバシー規制当局が必要であり、グーグル、フェイスブック、ツイッターなどの広告会社はデータ収集を減らし、その頻度を最小限に抑える必要がある」とスタモス氏は述べた。

それでも、元フェイスブック幹部は、アップルが国内市場でデータ保護を推進し、それを世界規模で支持していることは、同社の中国事業と明らかに矛盾していると述べた。

「アップルは中国でのiCloudの仕組みを正直に明らかにし、アメリカ企業が中国共産党の国内安全保障上の要望にどれだけ積極的に応えるかに関して有害な前例を作るのをやめる必要がある」とスタモス氏は述べた。

Appleは、VPNアプリの削除とiCloudへの移行は中国の規制を遵守して行われたと主張している。しかし、プライバシー擁護派は、Appleが米国を含む他の市場で同様の和解を求める声に抵抗する中で、中国に屈服していると主張している。