AppleInsiderスタッフ
· 1分で読めます
世界最大の音楽ストリーミングサービスであるスポティファイは、多額の純損失を出した1年を経て、来年の潜在的な新規株式公開(IPO)に向けて、レコード会社とより良い条件で交渉しようとしている。
ウォール・ストリート・ジャーナルの火曜日の報道によると、スポティファイは潜在的投資家にとってより魅力的な契約を交渉するため、大手レコード会社3社すべてと短期契約を延長して音楽をストリーミング配信している。
ミュージック・ビジネス・ワールドワイドの別のレポートによると、Spotifyとユニバーサル・ミュージック・グループとの長期契約は1年以上前に終了しており、ワーナー・ミュージック・グループやソニー・ミュージック・エンタテインメントとの同様の契約も今年初めに終了しているという。
Spotifyは、増加する有料会員と無料ユーザー基盤と、ストリーミング配信権のわずかな利益率のバランスを取ろうとしている。ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、昨年、Spotifyの売上高は前年比2倍の20億ドルに増加したにもかかわらず、損失は2億ドル近くに膨らんだ。
同社は、コンテンツ所有者に現在55%、音楽出版社と作詞家に約15%支払っている収益分配率よりも低い割合を支払うことを望んでいる。
Apple Musicは会員収益の58%をレコード会社に支払っており、一部の音楽業界幹部はSpotifyに対し、有料会員と無料会員の両方に対してこの金額を支払うよう求めています。3,000万人以上の有料会員と7,000万人の無料会員を抱えるSpotifyにとって、これは受け入れがたい事実かもしれません。ちなみに、Apple Musicの有料会員数は6月時点で1,500万人でした。
一部のレーベルは、コンテンツへのアクセス権限や、Spotifyの有料会員限定で新曲をリリースする権利といった他の権利と引き換えに、より低い料金を支払う用意があるとされている。一方で、無料ストリーミング層に制限を設けることを望むレーベルもある。これは、有料会員と無料会員の両方に同じ音楽カタログへのアクセスを提供するというSpotifyの核となる機能を崩壊させる戦略となる。もちろん、サブスクリプション料金の値上げという選択肢もある。
Spotifyは、予想されるIPOを前に財務強化を図るため、3大レコード会社すべてと友好的な合意を結ぶよう圧力にさらされている。さらに状況を悪化させているのは、資金力のあるライバル企業AppleとGoogleとの競争激化だ。両社は価格上昇や業界の逆風にも耐えうる。