フォックスコン会長の郭台銘(テリー・ゴウ)氏が台湾総統選への出馬を表明

フォックスコン会長の郭台銘(テリー・ゴウ)氏が台湾総統選への出馬を表明

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寺院に姿を現し、祈りを捧げる郭氏。|画像提供:ロイター/タイロン・シウ

フォックスコンの会長、郭台銘(テリー・ゴウ)氏は水曜日、台湾の総統選に立候補すると発表した。この動きはアップルを含む政治的、経済的波紋を引き起こす可能性がある。

ロイター通信によると、郭氏は中国政府に好意的な野党・国民党の予備選に参加する予定だ。台湾は数十年にわたり事実上独立を保ってきたものの、中国は台湾を反逆的な省とみなしており、中国の支配者への宥和と自由の維持の間で微妙なバランスを保ってきた。フォックスコンは台湾に本社を置いているが、主に中国本土で事業を展開している。

郭氏は月曜日、日常業務から退くと発表した。名目上は「若い人材に早く学ばせ、早く後を継がせ、私の後任に早く就かせたい」としている。しかしその後、総統選への出馬を示唆し、寺院で出馬を正式に発表した。そこで群衆に対し、海の女神である媽祖が私に出馬を勧めたと語りかけた。媽祖は台湾で人気があり、安全と幸運にご利益があると考えられている。

「平和、安定、経済、そして未来こそが私の核心的価値観だ」と郭氏は国民党本部で主張した。党はまだ郭氏の立候補資格を審査する必要がある。彼の純資産は推定76億ドルだが、予備選では容易に敗北する可能性がある。

台湾の蔡英文現総統の顧問は、郭氏が「極めて親中国的」であり、国家安全保障を損なう可能性があると示唆した。実際、中国の爆撃機と海軍艦艇は月曜日に台湾近海で演習を実施しており、これは候補者と既存の政治家双方へのメッセージとなる可能性が高い。中国は、台湾が正式に独立を宣言した場合、台湾侵攻の可能性を排除していないが、そうなれば米国やその他の地域大国との戦争のリスクが高まる。

アップルはフォックスコンの最大の顧客であり、iPhoneなどの主力製品を組み立てている。同社の経営陣が交代すれば、少なくとも両社のビジネス関係に何らかの影響を与えるだろう。郭氏が予備選と総選挙で勝利すれば、アップルは台湾独立に関して、いずれにせよより強硬な姿勢を取らざるを得なくなる可能性がある。

同社は、利益の多い市場へのアクセスを危険にさらすよりも、中国の権威主義的な統治に屈しているとして、ますます非難されている。例えば台湾の場合、中国で販売されるiPhone、iPad、Macには、デフォルトでは台湾国旗が表示されていない。Appleは台湾のサプライヤーに大きく依存しており、AシリーズプロセッサメーカーのTSMCもその一つである。