ブラックベリーがTモバイルとの提携を解消、キャリアに依存しない新たな事業戦略を示唆

ブラックベリーがTモバイルとの提携を解消、キャリアに依存しない新たな事業戦略を示唆

マイキー・キャンベルのプロフィール写真マイキー・キャンベル

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BlackBerry Q10。| 出典: BlackBerry

苦境に立たされている携帯電話メーカーのブラックベリーは火曜日、米国の携帯電話会社Tモバイルとの提携を打ち切ると発表し、製品販売における通信会社への依存を減らす意向を示唆した。

ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたように、BlackBerryがT-Mobileとの契約を更新しないという予想外の決定は、販売促進のために通信事業者のマーケティングに頼るという同社の従来の戦略からの転換です。同社は昨年、BB Messengerのトラフィックを自社サーバー経由でルーティングするために通信事業者に課していたサービス料金を廃止する計画を発表しました。

「残念ながら、現時点では両社の戦略は補完的ではなく、BlackBerryのお客様の最善の利益を最優先に考え行動しなければなりません」と、BlackBerryのCEOであるジョン・チェン氏は述べた。「将来、両社の事業戦略が一致した暁には、T-Mobileと再び協業できることを期待しています。」

この動きは、AppleのiPhone 5のプロモーションをめぐって両社のCEOが激しい非難を交わしてから約2か月後に起きた。当時、T-Mobileは「BlackBerryユーザー向けの素晴らしいオファー」を記載したメールを送信し、Appleのスマートフォンへの乗り換えを勧めていた。2月にBlackBerryの公式ブログに投稿された記事で、チェン氏はT-Mobileに対し「憤慨」を表明した。T-Mobileはプロモーションメールを送信する前にこの件について何の話し合いもしていなかったようだ。

火曜日の発表はiPhone 5騒動だけによるものではなかったものの、BlackBerryの戦略転換は、急速に変化するスマートフォン市場において、同社が生き残りをかけて苦闘していることの表れと捉えることができる。経営幹部でさえもBlackBerryを去っており、その中には昨年Appleに引き抜かれた後、BlackBerryとの契約条件を履行するよう訴えられたソフトウェア担当SVPのセバスチャン・マリノー=メス氏も含まれる。

調査会社IDCによれば、米国のスマートフォン市場でのシェアは5年前の約50%から大幅に減少しており、1%未満にとどまっているこのカナダ企業は、最後の断末魔ともいえる苦しみにもがき苦しんでいるように見える。

いつものように、T-MobileのCEO、ジョン・レジャー氏はTwitterで、この状況について率直な、いや無愛想とまではいかないもののコメントを出した。

「私たちはすべてのお客様を大切にしていますが、これは基本収益の1%強であり、四半期ごとの増加額のほんの一部に過ぎません」とレジェール氏は述べた。さらにフォロワーに向けたツイートで、同氏は「@BlackBerryがなぜ顧客から選択肢を奪うのか、どうしても理解できません」と述べた。

一方、ブラックベリーは、現在の顧客が契約解除の影響を受けないようT-Mobileと協力することを約束したが、契約更新しないことで失われた収益を補う解決策をまだ示していない。