AppleはiPodやiPhoneをワイヤレスのiTunesリモコンに変えるかもしれない

AppleはiPodやiPhoneをワイヤレスのiTunesリモコンに変えるかもしれない

アップル社は、iPodとiPhoneの両方をワイヤレスリモコンとして機能させ、デジタルメディアファイルをコンピュータベースのiTunesライブラリからApple TVなどのデジタルメディアハブ経由でホームエンターテイメントシステムに流す技術に取り組んでいることが、最近の特許出願で明らかになった。

その原因を説明するにあたり、電子機器メーカーは、コンピューターによるマルチメディア再生の品質はここ数年で劇的に向上したが、一般消費者にとっての性能、忠実度、使いやすさの点で、ステレオ、テレビ、プロジェクター システムなどの一般的なエンターテイメント デバイスに比べてシステムがまだ遅れをとっていると説明しています。

「そのため、より高品質な再生システムを利用するために、個人のパソコンをホームエンターテイメントシステム(無線または有線)に接続し、メディアシステムを構築するホームネットワークシステムを導入することが一般的になっています」と同社は述べている。「しかしながら、残念ながら、マルチメディアデータの再生における特定の操作(曲の変更、プレイリスト全体の変更、さらには音量調整など)を行うには、再生中のマルチメディアデータが保存されているパソコンに物理的に接触する必要があります。」

Apple 社は続けて、例えば、リスナーがリビングルームで、ワイヤレスで接続されたコンピューターからリビングルームのステレオにストリーミングされている音楽を聴いている場合、再生中の曲を変更するには、リスナーはコンピューターがある上の階の書斎まで物理的に歩いて行き、希望の曲を選択する必要がある、と説明しました。

「したがって、ゾーン コントローラ ユニットやゾーン プレーヤーなどの専用機器の購入が必要となるリモート アクセスとコントロールを、既存のデバイス (iPod、AirPort Express、iTunes が稼働している Mac など) を活用して実現するシステムが求められています」と同社は述べている。

この目的のために、Apple は、iPod などのポータブル マルチメディア プレーヤーが、メディア ユニット (デジタル オーディオのストリーミングの場合はステレオやスピーカーなど) へのワイヤレス インターフェイスを介してデジタル メディアをストリーミングしているメディア サーバー (iTunes ソフトウェアを実行しているパーソナル コンピュータなど) にワイヤレスでアクセスして制御できるようにします。

「この方法は、ポータブル マルチメディア プレーヤーとメディア サーバーを結合し、マルチメディア プレーヤーからメディア サーバーに信号をワイヤレスで送信し、受信した信号を使用してワイヤレス インターフェイス経由でメディア サーバーからメディア ユニットにデジタル メディア データをストリーミングすることによって実行されます」と出願書類には記載されています。

あるいは、出願書類によれば、ポータブルデジタルマルチメディアプレーヤーのリモートコントローラユニットは、リモートメディアサーバーを無線制御するために用いられるマルチメディアメディアファイルのメタデータを保存するように構成され得る。この方法では、リモートコントローラユニットは、無線ネットワークインターフェース、複数のユーザー選択可能な項目を有するユーザーインターフェースを表示するように構成された表示装置、および、ユーザーがユーザー選択可能な項目の1つを選択すると、無線ネットワークインターフェースからリモートメディアサーバーに無線送信される信号を生成するプロセッサユニットを備える。

「信号には、メディアサーバーに保存されているマルチメディアファイルを識別するマルチメディアファイルメタデータが含まれており、メディアサーバーは、その信号に応答して識別されたマルチメディアファイルにアクセスし、アクセスされると、識別されたマルチメディアファイルをリモートメディアユニットにワイヤレスで送信します」とAppleは説明している。

AppleのワイヤレスiPodリモコンの特許

さらに同社は、リモート コントロールの 3 番目の方法として、マルチメディア プレーヤーからのマルチメディア ファイル指示をパーソナル コンピュータでワイヤレスで受信し、受信したマルチメディア ファイル指示を使用してパーソナル コンピュータに保存されているマルチメディア ファイルを識別し、識別されたマルチメディア ファイルにアクセスし、識別されたマルチメディア ファイルをパーソナル コンピュータからリモート メディア ユニットにワイヤレスで送信することで実行できるとも付け加えました。

この出願はもともと2005年12月20日に米国特許商標庁に提出されたもので、Apple社の従業員であるSteve Ko氏とStephen Lemay氏によって提出されたとされています。