ケビン・ボスティック
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英国の金融サービス会社バークレイズは、アップルが自社のスマートフォンを競合製品と本当に差別化し、投資家の関心を再び呼び起こしたいのであれば、新型iPhoneにもう一つ「驚き」の要素を取り入れる必要があると述べている。
2011年にAppleが仮想アシスタント「Siri」をiPhone 4Sと同時に発表したことは「消費者の関心を一気に高め、4Sの買い替えサイクルの最初の2四半期は予想をはるかに上回る好調さを見せた」と、アナリストのベン・A・ライツェス氏は今週の投資家向けメモで述べた。火曜日に新型iPhoneを発表する予定のクパティーノに本社を置くAppleは、「株価をさらに活気づけるためには、まさに今、『Siriのような』瞬間が本当に必要だ」とライツェス氏は述べた。
ライツェス氏はその可能性を完全に否定はしていないものの、そのような瞬間が来るとは確信していないようで、その出来事は「十分に予告されている」ため、アップル株の実際の動きは「新たな中国戦略の範囲と速度、およびiOS 7と指紋スキャナ技術の新機能」によって引き起こされる可能性が高いと述べている。
Appleは既に9月11日に中国メディア向けイベントを開催すると発表しているが、これは米国でのメディアイベントからわずか10時間後のことだ。観測筋によると、Appleと中国移動(China Mobile)(約7億人の顧客を抱える中国最大の通信事業者)との継続的な交渉の結果、両社の間で合意に至り、最終的にChina MobileがiPhoneを取り扱うことになるかもしれないという。
Appleは次世代iPhoneに指紋認証技術を組み込むとも考えられている。Appleは昨年、組み込みセキュリティ企業のAuthenTecを買収しており、最近リークされた画像には、iOSのホームボタンに指紋認証技術が組み込まれている様子がうかがえる。この技術が次世代iPhoneに搭載されれば、単純な携帯電話のセキュリティから、AppleのiTunesを中核とした安全なモバイル決済システムまで、幅広い用途に活用できる可能性があると、この報道は述べている。
バークレイズは、2014年に「驚きの要素」を持つデバイスが登場する可能性についてはより楽観的だ。レポートでは、AppleはSamsungのGalaxy Note 3のような「大画面スマートフォンのトレンドに乗り遅れた」としているものの、Retinaディスプレイ搭載のiPad miniや、以前から噂されている大画面iPhoneが来年中に登場し、iPadのフォームファクタが大型化したり、コンバーチブルデバイスが登場したりする可能性があると見ている。
バークレイズのレポートは楽観的な見方で締めくくられており、「Appleの成長率は新製品サイクルとともに改善するだろう」と予測し、12月四半期のiPhone販売台数が月間最大2,000万台に達すると予測している。同社は2013年第4四半期の1株当たり利益を7.50ドルと予測しており、売上高は前年同期比2%減の354億ドルとなる。2014年度第1四半期の1株当たり利益は13.07ドルと見込んでいる。