マイク・ピーターソン
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アップルのCEOティム・クック氏は、ユーザーデータの収集に依存するビジネスモデルを強く非難し、エンゲージメントを何よりも優先することは誤情報や不信、さらには現実世界の暴力につながると述べた。
アップルのCEOは木曜日、欧州コンピュータ・プライバシー・データ保護(CPDP)カンファレンスのパネルディスカッションで開会の辞を述べた。講演の中で、アップルのプライバシー保護への取り組みや、ユーザーデータの収集に依存するビジネスモデルの危険性など、様々な問題について触れた。
「以前にも申し上げたように、生活のあらゆるものが集約され、売買されることを当たり前のこととして受け入れてしまうと、私たちはデータ以上のものを失うことになります。人間である自由さえ失ってしまうのです」とクック氏は述べた。
クック氏はフェイスブックを名指ししなかったものの、このソーシャルメディア大手のビジネスモデルは明らかに標的だった。
「アルゴリズムによって増幅された偽情報や陰謀論が蔓延している今、あらゆる関与は良いことであり、長ければ長いほど良いとするテクノロジー理論にもはや目をつぶることはできない」とクック氏は述べた。
同氏は、この種のビジネスがもたらす結果には、命を救うワクチンに対する国民の信頼を損なったり、分極化を引き起こしたり、さらには過激派グループによって現実世界で永続させられる暴力につながる可能性があると述べた。
「もし企業がユーザーを欺き、データを搾取し、選択肢ではないものを利用しているのであれば、称賛に値しない」とクック氏は述べた。「改革が必要だ」
クックCEOはまた、App Storeに新たに導入されるプライバシーに関する栄養成分表示や、今春リリース予定のApp Tracking Transparency(ATT)機能など、Appleがプライバシー保護に取り組んでいるいくつかの取り組みについても強調した。さらに、Appleは自社のプライバシー原則を強化するだけでなく、「業界全体に前向きな変化の波を起こす」ことにも取り組んでいると付け加えた。
「Appleでは、ずっと以前に決断を下しました。倫理的なテクノロジーとは、ユーザーにとって役立つテクノロジーだと考えています。それは、ユーザーを眠らせ続けるのではなく、眠りを助けてくれるテクノロジーです。もう十分だと知らせてくれ、創作したり、絵を描いたり、文章を書いたり、学習したりする余地を与えてくれるテクノロジーであり、ただリフレッシュするだけのものではありません。ハイキングや水泳をしている時には背景に溶け込んでいても、心拍数が急上昇した時には警告を発したり、ひどい転倒をしたときには助けてくれるテクノロジーです。そして、これらすべてにおいて、常にプライバシーとセキュリティが最優先です。優れた製品を提供するために、ユーザーの権利を犠牲にする必要はないからです」とクック氏は述べた。
さらに、クック氏は欧州のGDPRデータ保護法を称賛し、米国でも連邦レベルで同様の法律を制定するよう再度求めた。
クック氏の開会演説に加え、Appleのグローバルプライバシー責任者であるジェーン・ホルバート氏がパネリストとしてラウンドテーブルに参加しました。ホルバート氏は、Appleのプライバシー機能や、主要検索エンジンとしてのGoogleの利用について質問を受けました。
ホルバート氏はまた、Apple自身のアプリも含め、すべてのアプリが同社のプライバシーポリシーを遵守する必要があると改めて強調した。しかし、広告に関しては、AppleはIDFAを使用していない。代わりに、よりプライバシーを重視した広告ネットワークを利用している。検索に関しては、ホルバート氏はGoogleが最も人気のある検索エンジンであると述べたが、AppleはDuckDuckGoやEcosiaといった代替手段もサポートしていると付け加えた。
クック氏の講演は、AppleとFacebookの間で、特に前述の追跡機能をめぐって緊張が高まっている時期に行われた。Facebookは新聞に全面広告を掲載するなど、様々な手段を用いてこの機能を批判してきた。また、木曜日のクック氏の講演の直前には、FacebookがAppleとの争いを独占禁止法違反訴訟に持ち込む可能性があるとの報道もあった。