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メリルリンチのアナリストらは、アップルコンピュータの新製品発表に対する期待が薄れており、同社の発表内容がメディア招待イベントにふさわしいほど内容が充実しているとは考えていないと表明した。
アナリストは、Appleはこれまで使用していたATIのディスクリートグラフィックカードの代わりに、Intelのグラフィックプロセッサユニットをこの小型コンピュータに統合することで、Intelへの移行を加速させることができたと考えている。しかし、長期的には、Intelによるシステムコンポーネントへの垂直統合の拡大は、システムベンダーを含むPCエコシステムにとって戦略的な脅威となるだろうと同氏は指摘する。
一方、ファーマー氏は、iPod Hi-Fiとレザーケースは、急成長を遂げるiPodインストールベースから得られるアクセサリ市場のシェア拡大を目指すAppleの戦略の最新例に過ぎないと考えている。同氏によると、この戦略は短期的にはAppleにとって有利に働くだろうが、長期的にはiPodエコシステムのリスクを生み出す可能性があるという。
「しかし、長期的には、スピーカーなどの分野への積極的な進出や、iPodコネクタのライセンス『税』の導入でエコシステムパートナーと競争することで、アップルはエコシステムを疎外し、他のプラットフォームからの混乱を招きやすいマージンの傘を作り出すリスクがあると私たちは考えています」と同氏は書いている。
ファーマー氏は、Appleの新しいiPod Hi-Fiブームボックスは、小売価格299ドルのBose SoundDockデジタルミュージックシステムに匹敵する製品だと考えている。「50ドル追加で、iPod Hi-Fi製品は、外出先でも音楽を楽しめるバッテリー駆動機能と、オプションのAirPort Expressと組み合わせればストリーミング再生が可能なオーディオ入力を備えています」とファーマー氏は記している。「iPod Hi-FiとBose SoundDockの音質の相対的な比較は、私たちには分かりません。」
全体として、アナリストは同社の新製品にそれほど感銘を受けておらず、そのことがメディアイベントの精彩を欠いた結果になったと多くの人は考えている。
「今回の発表がメディアを招待してのイベントを開催するほどの内容だったのか疑問に思う。アップルが今後も秘密主義のオーラでジャーナリストをマーケティングの道具として利用し続けるつもりなら、慎重になる必要があるのではないか」とファーマー氏は書いている。
同氏は、iPod Hi-Fiと革製ケースの価格設定は、アップルが自社のアクセサリを競合製品よりも高い価格で提供できると考えていることを示していると述べた。
「実売状況はアップルブランドにとって重要な試金石となるだろう」とファーマー氏は記した。「当初のブログ活動(顧客感情を測る非科学的な指標ではあるが)には、懐疑的な見方が見られた」
メリルリンチは、アップル株を割安でも割高でもないと見ている。しかし、現時点で同社株を推奨するには「規模が不十分」だと見ている。