マイキー・キャンベル
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スプリントはTモバイル買収に向けて水面下で動いていると報じられており、買収が成立すれば、現CEOのジョン・レジャー氏が新会社の経営の最有力候補になると言われている。
事情に詳しい関係者によると、スプリントの最高財務責任者(CFO)ジョー・オイテニア氏と財務担当グレッグ・ブロック氏は最近、Tモバイル買収に必要な資本と資金調達計画を確保するため銀行と会談したとブルームバーグが報じている。
スプリントの株式80%を保有する孫正義氏率いるソフトバンクは、6月か7月に正式な買収提案を準備していると報じられているが、具体的な金額は明らかにされていない。Tモバイルの株式67%を保有するドイツテレコムは、現金による買収に関心を示していると関係者は報じている。
合意はまだ最終決定には程遠いものの、両社は買収が実現した場合のCEO就任について既に検討を進めている。両社の協議状況に詳しい関係者によると、率直な意見で知られるTモバイルのジョン・レジャーCEOが有力候補の一人だという。レジャーCEOはソーシャルメディアでの存在感の高さから、米国の4大通信事業者の中で最もよく知られたCEOと言えるだろう。
スプリントがTモバイルへの買収提案を検討しているという報道が初めて報じられたのは12月だった。当時、スプリントの株式取得額に応じて、買収額は最大200億ドルになるとの憶測が流れていた。これは、孫氏が2013年7月にソフトバンクからスプリントの経営権を取得した際に支払った金額より15億ドル以上低いが、Tモバイルは約87億ドルの負債を抱えており、今回の買収によってそれが譲渡されることになる。
売却が計画通りに実現すれば、米国第3位と第4位の通信会社が統合され、事実上、ベライゾンとAT&Tのライバル企業が誕生することになる。スプリントとTモバイルの市場シェアは、米国トップ2の通信事業者のいずれと比べても非常に小さい。合併が実現すれば、新会社は加入者獲得競争において真の有力候補となるだろう。
しかし、連邦通信委員会(FCC)がスプリントの買収提案にどう反応するかはまだ分からない。同委員会は2011年、AT&TとTモバイルの合併提案を却下した。合併が実現すれば、AT&Tはベライゾンに匹敵する市場シェアを獲得するはずだった。
情報筋によると、孫氏はAT&TがFCCの質問に対応する準備が不十分だったと考えている。そのため、この取引が規制対象となる頃には、スプリントはTモバイル買収が公共の利益に合致する詳細な目論見書を作成する予定だ。