ロジャー・フィンガス
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ある報道によると、アップルの幹部は、同社のオリジナルビデオ番組向けに「大規模でスマート、派手なドラマ」を見つけることに注力しており、多数の企画を検討し、提案しているという。
Appleの番組は「ゲーム・オブ・スローンズ」「ブレイキング・バッド」「ザ・クラウン」などをモデルにしている可能性があると、複数の情報筋がハリウッド・レポーターに語った。Appleの番組編成を担当する2人の幹部、ジェイミー・エルリヒトとザック・ヴァン・アンバーグは、ロサンゼルス各地で、エージェントやスタジオの責任者に対し、Appleをプラットフォームとして売り込もうとしている姿が目撃されている。
ユナイテッド・タレント・エージェンシーのようなエージェンシーは、HBOやNetflixに持ち込むのと同じような素材をAppleに売り込み、スペックスクリプトやパッケージ済みのオプションを大量に送りつけていると言われている。エルリヒト氏とヴァン・アンバーグ氏は、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンの元幹部として、Netflixのライバルたちよりもハリウッドでよく知られているため、特別なアドバンテージを持っていると考えられている。
あるスタジオ責任者は、AMCとNetflixを有名にした番組に言及し、「Appleの『マッドメン』や『ハウス・オブ・カード』のような存在になりたい」と示唆した。
複数の情報筋によると、サラ・ポールソン主演の『カッコーの巣の上で』の前日譚『ラチェット』は、アップルの新番組の一つになる可能性があったという。というのも、エルリヒトとヴァン・アンバーグは今夏、プロデューサーのライアン・マーフィーと話し合い、複数シーズンの制作オファーを提示したからだ。しかし、最終的にはNetflixに競り負けた。Netflixは2シーズン分の制作費を前払いで保証し、『アメリカン・ホラー・ストーリー』の配信継続費用などの特典も提示した。
同社は入札に慎重だったとされ、その例としてはスティーブン・スピルバーグ監督のアンソロジーシリーズ「アメイジング・ストーリーズ」の最新版や、以前から噂されていたジェニファー・アニストンとリース・ウィザースプーン出演の朝番組ドラマなどがある。
エルリヒト、ヴァン・アンバーグ、そして開発責任者のマット・チャーニスは、俳優やクリエイターとも直接交渉中で、ブライアン・クランストン、ヴィンス・ギリガン、『アウトランダー』のロン・ムーアといった面々にアプローチしていると言われている。また、『ブラック・パンサー』の監督ライアン・クーグラーや、『グッド・プレイス』の脚本家マイク・シュアといった面々との面談も予定されているようだ。
もう一人の元ソニー社員、キム・ローゼンフェルド氏も、Netflix の「Making a Murderer」の制作者と話をするなど、ドキュメンタリー番組の制作を検討していると考えられている。
Appleが今後の番組をどのように配信していくのかはまだ不明だ。理論的には「Planet of the Apps」や「Carpool Karaoke」のようにApple Music限定で配信することも可能かもしれないが、NetflixやHBOレベルのドラマの予算を考えると、より広範なリーチが必要になるだろう。Appleは来年1年間で約10億ドルを番組制作に投じると予想されている。これはNetflixの予算よりはるかに少ないが、Amazonがオリジナルビデオ事業に初めて参入した際に投じた金額と同程度だ。