アップルのティム・クック氏、スタンフォード大学での講演で「混乱」と監視について警告

アップルのティム・クック氏、スタンフォード大学での講演で「混乱」と監視について警告

ロジャー・フィンガスのプロフィール写真ロジャー・フィンガス

· 1分で読めます

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は日曜、スタンフォード大学卒業式のスピーチの一部で異例の暗いトーンで語り、シリコンバレーが引き起こす「混乱」と企業や政府による監視の脅威を強調した。

「最近、この業界は、あまり高潔ではないイノベーション、つまり責任を負わずに功績を主張できるという信念で知られるようになっているようだ」とクック氏はCNBCに語った。「データ漏洩、プライバシー侵害、ヘイトスピーチへの無視、国民の議論を汚染するフェイクニュース、そして一滴の血と引き換えに得られる偽りの奇跡など、私たちは日々それを目にしている」

「誰かがこんなことを言わなければならないなんて、ちょっとおかしい気がするが、もし混乱の工場を作ったのなら、その混乱の責任は逃れられない」と彼は主張した。

CEOの発言は、Amazon、Facebook、Googleといった企業におけるプライバシースキャンダルだけでなく、FacebookやTwitterに対し、最近までISISのようなグループに対して行われていたのと同じレベルの検閲を白人至上主義者やネオナチにも行うよう求める圧力が高まっていることにも言及している。また、ロシアによる米国選挙への干渉や、実際には機能しなかった血液検査技術に数億ドルを調達した悪名高いスタートアップ企業Theranosについても言及した。

監視についてクック氏は、「監視が始まる前にシリコンバレーを止めることができた」と述べ、人々は大量データ収集を普通のこととして扱うべきではないと語った。

「私たちの生活のあらゆる情報が集約され、売買され、ハッキングされれば漏洩される可能性があることを当たり前のこと、避けられないこととして受け入れてしまうと、私たちはデータ以上のものを失うことになります。人間であることの自由さえ失ってしまうのです」と彼は述べた。

Appleはプライバシーをマーケティングの重点に据えるようになっており、iOS 13ではFacebook、Google、Twitterのサインインに関連する追跡を排除する「Appleでサインイン」ボタンを導入している。