アップルのマーケティング力と一貫性のないビデオ購入習慣がハリウッドを混乱させる

アップルのマーケティング力と一貫性のないビデオ購入習慣がハリウッドを混乱させる

Mike Wuertheleのプロフィール写真マイク・ワーテル

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アップルがビデオコンテンツの独占権獲得に全力を尽くす一方で、他のストリーミングサービスとのコンテンツ争奪戦には参加する意思がないことを受けて、ハリウッドは同社のメディア拠点としての将来的な意図に疑問を抱き始めていると言われている。

過去2年間、Appleはビデオを同社の「趣味」として位置づける姿勢を強化してきたようだ。これはAppleの共同創業者スティーブ・ジョブズがApple TVについて語った有名な発言だ。

The Informationによると、昨年、Appleはコメディアンのクリス・ロックと独占コンテンツの契約交渉を行った。最終的にAppleはこの契約を破棄し、Netflixで2本の独占スタンドアップ番組が1番組あたり2,000万ドルで配信されることとなった。

一方、iTunes向けの映画契約はより積極的に進められており、Appleは契約締結のためにプロモーションを駆使することをためらわない。関係者によると、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「トランプランド」のプロデューサーとの協議は制作初期から始まり、iTunesのホームページで同作品を大々的に宣伝することで契約を締結したという。

また、この問題を複雑にしているのは、Apple TV 向けに噂されていた OTT 番組パッケージを Apple が確保できなかったことと、同社が現在制作中のリアリティ番組「Planet of the Apps」に全力で取り組んでいることだ。

アナリストは、オリジナル番組の幅広いラインナップがないことで、市場シェアが低く抑えられ、シンジケーション放送の収入がなくなり、消費者がiTunesやApple TVに縛られる理由がなくなり、長期的にはAppleに悪影響を与えると考えている。

しかし、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が最新の財務報告で、アップルは「コンテンツの制作と所有」に関心があると発言したことで、アップルがメディア市場への進出をさらに進める計画があるのではないかという憶測が高まった。

Appleはまた、同社幹部のドクター・ドレーが主演する、同社初の脚本付きシリーズ「Vital Signs」を制作中とも言われている。さらに、Appleは7月にジェームズ・コーデンの「Carpool Karaoke」の権利も購入している。