マルコム・オーウェン
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iPhoneの需要減少とOLEDへの移行により、iPhoneディスプレイパネルサプライヤーの将来が厳しくなる中、ジャパンディスプレイは、LCD工場建設に伴うAppleへの財務負担を軽減するために投資を求めていると報じられている。
長年にわたりAppleのサプライヤーであるジャパンディスプレイは、2015年にAppleと契約を結び、Apple製品向け液晶パネルの生産に特化した新工場を日本に建設しました。この工場は多額の費用を投じたプロジェクトで、建設費は約15億ドルでした。
ロイター通信によると、アップルは支出を軽減するため、建設費用の大部分を負担することで合意した。その見返りとして、ジャパンディスプレイはディスプレイ売上高の一定割合をアップルに支払うという。
「今にして思えば、新工場は不要だった」とある関係者は語る。「だが、当時の判断は間違っていなかった。当時、ジャパンディスプレイはアップルのおかげで勢いづき始めており、アップルは新工場を欲しがっていたのだ」
ジャパンディスプレイの顧客はAppleだけではありません。同社はHuawei、Xiaomi、Oppoなど、他のスマートフォンメーカーとも取引があります。しかしながら、スマートフォン市場全体の成長鈍化や、ベンダー各社が中国のディスプレイパネルメーカーへの切り替えを進めていることから、両社との関係は縮小傾向にあります。
iPhoneは当時、高い売上成長を誇っていましたが、4年後、ジャパンディスプレイとの契約は破綻しました。これは、売上の鈍化と、Appleが液晶ディスプレイからOLEDディスプレイへと移行したことが一因です。この影響で、工場の稼働率は半分しかなく、Appleは建設費の大部分を未払いのままです。
2月には、同社が中国シルクロード投資資本(China Silkroad Investment Capital)率いるグループからの救済を希望していると報じられ、7億2,300万ドルの投資と引き換えにジャパンディスプレイ(JDI)の株式を「ほぼ過半数」取得するとの見通しが示された。この提案の一環として、同グループはJDIの技術を活用し、中国にOLEDパネル工場を建設することを望んでいる。
ジャパンディスプレイは財務状況の悪化を受け、過去にも投資先を模索してきた。例えば、2018年初頭にはiPhone XR用パネルの受注確保のため、5億ドル以上の資金調達を行ったとされている。また、2016年には、有機EL(OLED)生産への移行計画の一環として、INCJから6億3600万ドルの資金調達を行った。