シェーン・コール
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アイルランドの中学校では、HP ElitePad タブレットの導入が「完全なる失敗」と校長が評した事態となり、大きな技術的問題により、生徒を紙の教科書に戻すことを余儀なくされた。
アイルランドのリーシュ州にあるマウントラス・コミュニティ・スクールの生徒たちは、新学期の初めに従来の教科書を購入する代わりに、マイクロソフトのWindows 8オペレーティングシステムを搭載したHP ElitePadタブレットを購入させられたと、アイリッシュ・インディペンデント紙が報じている。550ユーロ(741ドル)のこのタブレットは、電源が入らなかったり、予期せずスリープ状態になったり、ロジックボードに関連するハードウェア障害が発生したりと、生徒たちを苛立たせている。
マウントラス校長のマージン・グリーソン氏は保護者への手紙の中で、「HPエリートパッドは甚大な被害をもたらしました」と述べ、学校費用負担で紙の教科書に戻ることは「教育の安定性と継続性を確保する」ために必要だったと訴えた。学校はHPと協力して問題解決に取り組んでいるが、教室にタブレットを再び導入するかどうか、あるいはいつ導入するかについては未だ明らかにされていない。
グリーソン氏はインディペンデント紙に対し、HPタブレットが選ばれたのは18ヶ月に及ぶ調査期間の末のことだと語った。その期間、学校側は「ワードプロセッサや十分なメモリなどを備えた、生徒にとって実質的にタブレット型のコンピュータのようなデバイス」を探していたという。グリーソン氏は、エリートパッドの64ギガバイトのメモリ容量が特に印象的だったと指摘した。
グリーソン氏は「失敗については誰のせいにもしていない」と語った。
世界中の学校がeラーニングへの移行準備を進め、教育現場へのテクノロジー投資競争が激化する中で、今回の騒動はHPとマイクロソフトにとって特に不利なタイミングと言える。AppleのiPadは既にこの分野でほぼ独占状態にあり、教育用タブレット市場のシェアは推定94%に上る。また、同社の教育関連事業の売上高は前四半期に初めて10億ドルを超えた。